Domaine Leflaive // Puligny Montrachet 1er Cru Les Pucelles 2016

ドメーヌ・ルフレーヴ // ピュリニー-モンラッシェ・プルミエ・クリュ ‘レ・ピュセル’

1. 生産者の紹介（Domaine Leflaive）

Domaine Leflaive（ドメーヌ・ルフレーヴ）は、ピュリニー＝モンラッシェを代表する白ワインの造り手であり、“世界最高峰のシャルドネ生産者”のひとつとして世界中で知られています。
1920年代からの品質への取り組みを経て、1997年には全面的にビオディナミ農法を導入。テロワールの精緻な表現を目指し、自然との調和を大切にしたワイン造りを実践しています。
「Les Pucelles（レ・ピュセル）」は、シュヴァリエ・モンラッシェやバタール・モンラッシェに隣接するピュリニー最高峰の1級畑のひとつであり、ルフレーヴが大部分を所有する重要な区画です。

2. ワインの特徴（Puligny-Montrachet 1er Cru “Les Pucelles” 2016）

“Les Pucelles 2016”は、困難なヴィンテージながら、極めて高品質なブドウが得られた年に造られた白ワインです。2016年は春先の霜や雹により収量が減少しましたが、夏以降の好天により、凝縮度が高く、酸とミネラルの張りを持った緊張感あるスタイルが実現しました。

Les Pucellesの持つ繊細でエレガントな表情に、2016年の骨格と深みが加わり、静謐さとエネルギーが共存する特別な仕上がりとなっています。

✓ 基本情報

産地：フランス・ブルゴーニュ地方 / コート・ド・ボーヌ / ピュリニー＝モンラッシェ村
区画：Les Pucelles（一級畑）
品種：シャルドネ 100%
ヴィンテージ：2016年
格付け：1er Cru
アルコール度数：約13%
熟成：フレンチオーク樽で約12ヶ月（新樽比率20〜25%）、その後ステンレスタンクで6ヶ月追加熟成

3. 味わいの特徴（香り、味わい、余韻）

香り：レモンピールや白桃、青リンゴの果実香に加えて、白い花、ヘーゼルナッツ、火打ち石、ハーブ、そして熟成由来のバニラや蜜のニュアンス。非常に複雑で静かな緊張感を感じさせる香り。
味わい：アタックは繊細ながら、口中で広がる果実とミネラルの密度感が印象的。芯の通った酸が骨格を形成し、エレガントな質感が全体を包み込む。フィネスと力強さが共存。
余韻：レモンの皮、塩味、スパイス、ナッツの香りが長く、ゆるやかに続く静謐な余韻。

4. 食事とのペアリング（おすすめ料理と理由）

2016年のLes Pucellesは、ミネラルと酸の緊張感が強く、熟成が進んだ今、料理との相性がさらに深まっています。
香りや出汁を重視した料理、またはバターやナッツの要素を持つ料理と好相性です。

✓ おすすめの料理

平目のムニエル（焦がしバターソース）
帆立と百合根の白味噌グラタン
鶏のヴァンジョーヌ煮（モリーユ茸とともに）
湯葉と筍の白だし煮
チーズ：コンテ24ヶ月、ブリア・サヴァラン、クロミエ

5. ワイン造りの特徴（栽培方法、醸造、スタイル）

畑：バタール・モンラッシェとシュヴァリエ・モンラッシェに隣接する南東向き。石灰質主体の土壌が精緻な酸とミネラルを生む
栽培：1997年よりビオディナミ農法（Demeter認証）。自然のリズムに寄り添った栽培
収穫：手摘みによる収穫。2016年は霜の影響を避けたエリアから選び抜かれた凝縮した果実を収穫
醸造：自然酵母による発酵、樽熟成（新樽比率は控えめ）、過度な介入を避け、繊細な表現を重視
熟成：12ヶ月の樽熟成後、ステンレスタンクで6ヶ月の追加熟成により、澄んだ果実味と統一感ある質感を実現

6. 飲み頃と熟成（飲み頃、熟成による変化、デキャンタージュの有無）

✓ 飲み頃：2020年〜2030年頃。2025年現在は熟成による複雑さが美しく開き始めている理想的なタイミング。
✓ 熟成による変化：白い花や柑橘の爽やかさが落ち着き、ナッツ、蜂蜜、干し草、白トリュフなどの奥行きある熟成香へと変化。
✓ デキャンタージュ：抜栓後すぐに香りが開きにくい場合は、15〜30分程度のデキャンタージュがおすすめ。

7. まとめ（総括、印象）

Domaine Leflaive // Puligny-Montrachet 1er Cru “Les Pucelles” 2016は、ルフレーヴの精密なワイン造りと1級畑レ・ピュセルの気品が、困難な年を超えて美しく融合した1本です。
緊張感と奥深さを併せ持ち、“静かなるグラン・ヴァン”とも言える風格をまとっています。熟成のポテンシャルも高く、今飲んでも素晴らしく、あと数年でさらなる魅力を開花させることでしょう。

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